ガイドブック教育

学校制度

学校制度
オーストラリアの初等・中等教育(小学校から高校)は12年制ですが、州によって多少異なるシステムが採用されています。また、義務ではありませんが、小学校に入学する前の1年を入学準備期間ととらえ、準備学級に通うことが推奨されています。子どもたちは通常、5、6歳から学校に通い始め、15、16歳まで義務教育を受けます。その後は本人の選択となり、社会に出て働く者もいます。

義務教育期間の最初の6、7年間は、プライマリースクールと呼ばれる小学校で、読み書きや計算、社会・道徳教育などの一般的な初等教育が施されます。

12歳になり初等教育を終えた児童は、セカンダリースクールとよばれる中等教育機関に進み、5、6年間の総合的な教育を受けます。中等教育最後の2年間は義務教育の期間として位置づけられているわけではありませんが、生徒の大半はそのまま残って2年間の教育を受けます。そして、18歳くらいで高等学校の最終学年を終了した生徒たちは、職業訓練校や大学に進学、あるいは社会に旅立つことになります。

学校生活

学校生活
オーストラリアの学校は通常9時に始まり午後3時もしくは3時半に終わります。それぞれの州や学校に応じて状況は異なりますが、基本的に、小学校でも中学・高校(セカンダリースクール)でも午前中に一度、10分から15分程度の少し長めの休み時間かあり、その間に子どもたちは家から持ってきた軽めのスナックを食べたり、校庭で遊ぶなど、体を動かしたりすることができます。昼休みは12時半頃に始まることが多く、40分から1時間程度の時間が設けてあります。多くの学校には、「タック・ショップ」や「キャンティーン」とよばれる売店があり、サンドイッチやミートパイ、巻き寿司などを買うことができます。タック・ショップにはこの他、ドライフルーツやジュース、ポテトチップスなどのスナックも置いてありますが、大半の生徙たちは家からスナックやランチを持ってきます。

生徒たちは校内をきれいに保つよう指導されていますが、定期的な清掃は専門の業者に任されているため、日本の学校のように生徒たちが日常的に掃除当番といった清掃活動を行うことはありません。

基本的に放課後の活動はなく、生徒たちはみな授業終了と共に下校します。家まで歩いて帰る生徒もいれば、自転車や電車、トラム、専用バスなどを利用する者もおり、通学方法は様々です。小学校では、保護者が送り迎えをすることかほとんどで、放課後に学童保育施設へ行く児童は、親が仕事を終えてから迎えに行きます。

放課後や週末にスポーツをする生徒も多いですが、学校のクラブ活動というものは一般的ではありません。学校は週休2日制です。セカンダリースクールの生徒は常に宿題をかかえ、平日の夜のみならず週末も机に向かいますが、学習塾などはほとんどみられません。

中等教育で行われる試験や評価の方法は、どの学年においても各学校独自の判断に任されています。また通常、セカンダリースクール最後の年には科目ごとに中等教育終了認定試験が実施されます。大学や職業訓練校に進学する際には、日本のように個々に実施される入学試験ではなく、この認定試験の総計点数を基準に入学できるかどうかが決まります。医学部や法学部などへの進学を希望する場合は、通常より高い点数が要求されます。

制服

制服
オーストラリアでは、ほとんどの学校に制服があります。一般的に、私立の学校では制服を着ることが規則となっていますが、公立の学校でも、制服の着用が推奨されています。学校により制服の色やスタイル、デザインなどは様々です。女子の制服はブラウスにスカート、あるいはワンピースといたものが一般的で、冬場にはこれにセーターやブレザーなどが加わります。男子の制服は、夏場はシャツに半ズボン、冬場はシャツに長ズボン、この上にセーターやブレザーなどを組み合わせるのが一般的です。日差しが非常に強いオーストラリアでは、生徒たちが屋外で活動する際には、帽子を着用しなければなりません。子どもたちは首や耳を日焼けから守るため、つばの広い帽子や、野球帽の後ろに襟足を覆う大きなカバーがついた帽子をかぶります。

多文化社会における教育

多文化社会における教育
オーストラリアのような多文化社会では、異なる民族出身で異なる言語や宗教を持つ人々が、人種差別の恐れを感じることなく、共に生活し、働ける社会環境があることが大切です。オーストラリアでは、異文化に対する理解と寛容を深めるため、教育が重要な役割を果たしています。様々な民族出身の子どもたちが同じ学校で学んでいるため、学校では、異なる民族グループでお互いを受け入れ、尊重する姿勢や態度を養うことを全教科を通じた根本的な教育方針としています。

第二言語としての英語

第二言語としての英語
オーストラリアは英語を母国語としない国民の割合が高く、学校教育の場では、そのような生徒を対象に専門の教師による英語の授業が行われています。また、社会人向けのコースも開かれており、夜間の受講も可能です。そのほかに、ボランティアによる家庭教師派遣の制度もあり、高齢者や育児に追われる母親など、外出が容易ではない人々も積極的に英語の授業が受けられるよう配慮されています。

英語の習得において特別な補助を必要とする移民の子どもが、他の子どもと比較して不利にならによう、ほとんどの学校では第二言語として英語を取得するための特別な補助があります。また、文化的な理由から、移民の子ども達が出身国の言葉を保持し、勉強する機会を持つ重要性も認識されており、ある特定の民族が集中して住んでいる地域では、地元の学校でその民族の言語を勉強できる場合もあります。

ノーベル賞受賞者

ノーベル賞受賞者
オーストラリアのノーベル賞受賞者を見ると、先進科学技術分野で確固たる実績を持っていることが伺えます。1915年以降、医学賞や化学賞、文学賞など、これまでに12名のオーストラリア人がノーベル賞を受賞しています。オーストラリアの総人口数を考えると、国民ひとり当たりの受賞者数は世界でもトップクラスに入ります。
写真は、2005年、ノーベル医学賞を受賞したバリー・マーシャル。
  • 2011年
  • ブライアン・P・シュミット
  • 超新星の観測による宇宙の加速的膨張の発見でノーベル物理学賞を受賞
  • 2009年
  • エリザベス・ブラックバーン
  • 寿命のカギを握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組の発見でノーベル医学賞を受賞
  • 2005年
  • バリー・マーシャル
    ロビン・ウォレン
  • 胃潰瘍の原因となる細菌ヘリコバクター・ピロリ菌を発見しノーベル医学賞を受賞
  • 1996年
  • ピーター・ドハーティ
  • 免疫の研究でノーベル医学賞を受賞
  • 1975年
  • ジョン・コンフォース
  • 生命体の構造研究でノーベル化学賞を受賞
  • 1973年
  • パトリック・ホワイト
  • オーストラリア人の生活を描いた叙事詩的作品でノーベル文学賞を受賞
  • 1963年
  • ジョン・エクルス
  • 神経や脳の働きの解明でノーベル医学賞を受賞
  • 1960年
  • フランク・バーネット
  • 臓器移植の基礎になった免疫学でノーベル医学賞を受賞
  • 1945年
  • ハワード・フローリー
  • ペニシリンの発見および種々の伝染病に対するその治療効果の発見によりノーベル医学賞を受賞
  • 1915年
  • ウィリアム・ブラグ、
    ローレンス・ブラグ親子
  • X線による結晶構造解析に関する研究によりノーベル物理学賞を受賞