【地理】
オーストラリアは世界で最も大きい島であり、大陸自体がひとつの国家をなしている唯一の国です。南半球に位置することから「ダウン・アンダーの国(北半球から見て地球の反対側の国)」と呼ばれることがあります。インド洋と太平洋に挟まれ、国の北部を南回帰線が通過しており、近隣の国にはインドネシアや東ティモール、パプアニューギニアがあります。
オーストラリアの国土面積は日本の約20倍に相当する769万平方キロメートルに及び、世界第6位です。国は大陸本土と沿岸部に点在する数千の島々によって構成されており、南に位置し、一つの州を形成する最大の島タスマニア島や、クリスマス諸島、ココス・キーリング諸島など本土から数千キロメートル離れた領土もあります。
広大な国土を誇るオーストラリアには、3つの時間帯(東部・中央部・西部)があります。中央部と西部標準時帯には30分の、また東部と西部標準時帯には2時間の時差があるため、シドニーの7時はパースの5時です。また、州によっては、夏の間、太陽の出ている時間帯を有効に利用するため、時間の針を1時間進めて日中の時間を長くするサマータイム(夏時間)を実施しているところもあります。
【地形】
オーストラリア大陸は、地理学上、次の3つの地形区に大別されます。
【東部高地】
東部高地は、大陸の北東部から南東部をタスマニア島に向けて背骨のように走る一連の高原や台地です。高地の中央部を走る山地の連なりはグレート・デバイディング山脈と呼ばれており、オーストラリアの最高峰コジアスコ山(海抜2,228メートル)のある高原も東部高地に含まれています。高地に沿って広がる海岸地域および大陸南東部には、コースタル・プレーンと呼ばれる海岸平野地域が広がっています。温暖な気候に恵まれ、降水量も比較的多く、作物の生育に適した農耕地が広がっているこの地域に、国民の大半が居住しています。東部高地の南部に位置するニュー・サウス・ウェールズ州やビクトリア州にまたがる地域は、冬に雪が降るため、オーストラリアン・アルプスと呼ばれています。オーストラリア国内では、この他タスマニア州でも雪が降ります。
【中央低地】
中央低地は北部準州のカーペンタリア湾から大鑽成盆地を経て、マレー・ダーリング盆地および南オーストラリア州のグレート・オーストラリア湾沿岸部に至る地域です。中央低地の大半は平らな大地に覆われていますが、南オーストラリア州のある南東部では、なだらかな大地や山脈が広がっています。この地域は、降水量が非常に少なく大変乾燥しており、そのほとんどが不毛の大地となっています。
【西部台地】
西部台地は、西オーストラリア州北部のなだらかな山脈、および北部準州に広がる台地を含む地域で、国土の半分以上を占めています。西部台地の岩盤はきわめて古く、5億年以上も前から陸地を形成しており、中には30億年以上も前にさかのぼる岩盤も見つかっています。
パース沿岸部の岩盤は比較的年代が新しく、ダーリング山脈によって西部台地の他の部分から隔てられています。海抜約180メートルの比較的平坦な大地に覆われたこの地域には、グレート・サンディー砂漠などの砂漠地帯が広がる一方で、小さな国に相当する規模の大きさを誇る牧場なども点在しています。内陸部に広がるこのような地域はオーストラリアでは「アウトバック」と呼ばれています。
オーストラリアには6つの州、準州および特別地域があります。